自分に合う正しいシャンプー選び・洗い方って?【経歴17年美容師】が解説
はじめに
日頃、営業中お客様と関わらせていただいてよく耳にする
シャンプーはなにを使えばいいか?
自分に合ったモノがわからない。
シャンプーの正しい洗い方は?
インターネットの普及によりお客様自身もいろいろな情報を得られるようになりました。情報がありすぎて何が正しいかわからない、間違った知識で日頃シャンプーしてしまっているのでは? といった状態になっていると感じていました。
ランドに来てくださっているお客様の中でもシャンプーについての質問が多いので、シャンプーの事についてしっかり説明できるものがあったら、みなさんのお悩みを解決できるのでは?
と思い、この記事を書くことにしました。
まず、
結論からいうと、人・髪・頭皮・季節・今の状態 によって変わります。このシャンプーは完璧ですべての人に100点満点!!というシャンプーはありません。
Aさんには良くてもBさんには合わない事や、安いシャンプーが合う人もいれば合わない人もいる、高いシャンプーが合う人合わない人、オーガニック系が合う人合わない人、夏はいいけど冬は合わない などそれぞれです。
シャンプーについていろいろな考え方もありますが、ここでは僕が11年美容師として学んだ知識、経験を元に書かせていただきます。
少しでも参考になれば幸いです。
そもそもシャンプーって?
シャンプーは何のためにするの?
日本人はほぼ毎日シャンプーをしていますが、そもそも何のためにするのか。
髪を洗う?頭皮を洗う?なんとなく汚れをおとす? みなさん色々だと思います。ここではおさらいということで説明します。
シャンプーの目的
・マッサージによる血行促進、頭皮のリラクゼーション
この2つです。
シャンプー剤で1日の汚れ(主に、頭皮からでる皮脂、ホコリ、スタイリング剤など)を取り除き、お湯で暖まりながら頭皮を刺激するので血行促進し頭皮の環境を整えていきます。
髪の毛につく汚れのほとんど(スタイリング剤以外)はお湯でしっかりすすぐと落ちますので、頭皮にクローズアップして考える事が大切です。
シャンプーは何でできているの?
シャンプー剤の原料 何で作られているのかについてご説明します。
・ 界面活性剤 ・・・
高級アルコール系 アミノ酸系 石けん系 両性界面活性剤系 コハク酸系 などがある。
・水
【添加物】
・油脂 ・・・ ラノリン(羊の毛の油) レシチン(卵の黄身)
・保湿剤 ・・・ アミノ酸 グリセリン プロピレングリコール(PG) P・C・A等 (ピロリドンカルボン酸)
・殺菌剤 ・・・ サリチル剤(角質軟化) Z・P・C等 (ジンクピリチオン 殺菌効果)
で、できています。 これはあくまで基本となるものでシャンプーの種類によって更に入ってる成分などが変わってきます。 シャンプーの構造はこのような形と覚えていただけたら幸いです。
シャンプーの主な種類
前項でも触れましたが、それでは何がシャンプーの種類を大きく変えるのか?ということをご説明します。
シャンプー剤を選ぶにあたりなにが1番大事か、、、 それは、界面活性剤 です。
この界面活性剤(洗浄基剤)が何系(何から出来ているのか)が1番大事になります。シャンプー剤は界面活性剤によって洗浄力、泡立ちの良さ、髪への負担、価格、刺激 が違います。
これを理解することが正しいシャンプーの選び方にも影響していきます。
よく見かける界面活性剤の特徴をまとめてみました。 こちらを参考に見てみてください。
※ 表記名称はラベルの裏に書いてある原材料名です。
【高級アルコール系】
〔表示名称〕
・ラウリル硫酸Na
・ラウレス硫酸Na
・ラウリル硫酸アンモニウム
一般的に良く使われる基剤。 低コストで泡立ちが良く、洗浄力が高い反面、刺激が強く髪にダメージや手荒れえお起こしやすい。 市販のシャンプーのほとんどがこの基剤を使っている。
【アミノ酸系】
〔表示名称〕
・ラウロイルグルタミン酸Na
・ラウロイルメチルアラニンNa
・ラウロイルサルコシンNa
・ラウロイルアスパラギン酸Na
・ラウリミノジプロピオン酸Na
髪や皮膚にマイルドな洗浄基剤。泡立ち面でやや物足りなさを感じる。もともと体にアミノ酸があるので刺激は少ない。 コストが高い
【タウリン系】
〔表示名称〕
・ラウロイルメチルタウリンNa
アミノ酸の一種であるタウリンから作られた洗浄基剤。アミノ酸系に比べて若干泡立ちがいい。
【スルホコハク系】 〔表示名称〕 ・スルホコハク酸ラウレス2Na 泡立ちが良くさっぱりとした洗い上がり。低刺激洗浄基剤の中ではコストパフォーマンスに優れ、高級アルコール系の代替えとして使われる。 【オレフィンスルホン酸系】 〔表示名称〕 ・オレフィン(C12-14)スルホン酸Na 泡立ちが良く、洗浄力が高い。高級アルコール系と比べたら刺激は少ない。 【ベタイン系(両性系)】 〔表示名称〕 ・ラウリルベタイン ・ラウラミドプロピルベタイン ・ココアンホ酢酸Na ・コカミドプロピルベタイン ベビーシャンプーの主剤として使われている、洗浄基剤の中でも特に刺激の少ない成分。他の洗浄基剤の刺激を緩和する特徴がある。 【石けん系】 アルカリ 〔表記名称〕 ・ラウリン酸+水酸化Na(k) ・ミリスリチン酸+水酸化Na(K) PHがアルカリのため髪へのダメージは大(髪のPHは弱酸性) 水中のスカムという物質に結合して髪に吸着。→ごわつき感がある 酸性 〔表記名称〕 ・ラウレスー3酢酸Na ・ラウレスー4酢酸Na アルカリ石けんの欠点を改良したモノ。泡立ちが良くさっぱりとした洗い上がり。刺激が少なく、高級アルコール系の代替えとして使われる。 【アミドエーテル硫酸系】 〔表記名称〕 ・PEGー3ヤシ脂肪酸アミドMEA硫酸Na 高級アルコール系の刺激を引くした洗浄基剤。泡立ち、洗浄力に優れる。 【PPT系】 〔表記名称〕 ・ラウロイル加水分解コラーゲンNa(K) タンパク質を加水分解(水が加わると成分が分れていくこと)で得られるPPT(ポリペプタイド)から作られる洗浄基剤。ダメージ毛の修復作用が高い。 コストが高い。 ざっくり分けてもこんなにも種類・特徴があります。 わかりやすく 泡立ち、洗浄力、刺激、コスト面 の比較表を作りました。 このようなバランスで構成されています。 シャンプーがどの洗浄基剤から作られているのかがわかるとシャンプー自体の特性も見えてきます。 ここでは正しいシャンプーの洗い方について触れていきましょう!! 意外とご自宅でのシャンプーの仕方について、聞いてみるとこのような答えをよく耳にします。 ・ゴシゴシと力一杯洗う ・さっとやったら流してしまう ・上を向いて洗う ・下を向いて洗う 髪が野菜なら頭皮は畑です。 畑をしっかり耕さないといい野菜はできません。 頭皮も一緒で頭皮環境を整えないと髪も良くなりません。 ハリコシ・ツヤ・パサつき・くせの出方 色々な事に影響していきます。 しっかり覚えてシャンプーをしていきましょう! 最初にしっかりお湯で髪の毛・頭皮をゆすいでください。 髪の毛の汚れ(スタイリング剤以外)は大体がお湯で落ちます。ここでしっかり流すことでこの後の泡立てが楽になっていきます。 シャンプーもそうですがゆすぐ時も基本は 下を向いたり 上を向いたりして流してください。 どちらか一方でしか流されない方は、洗い残しの原因になるので意識してやってみてください。 シャンプーによって泡立ちは様々ですが、どれだけ泡がたつか? よりどれだけきめ細かいクリーミーな泡がたつか?が大事です。 頭皮も顔の皮膚と繋がっていますので、洗顔と同じ発想できめ細かい泡で洗う方が綺麗に汚れは落ちます。 ・泡立ての方法 【しっかり髪をゆすいだ後、シャンプーを適量とります。】 ※ 量の目安は下記参照ください シャンプーの適量目安 ショート 1プッシュ 500円玉1個分 ミディアム 2プッシュ 500円玉2個分 ロング 3プッシュ 500円玉3個分 スーパーロング(胸下) 3~4プッシュ 500円玉3~4個分 ※髪質・毛量・髪型で前後します。あくまで目安です 【手のひら全体にのばし、手のひらで軽く泡立て、頭全体にシャンプー剤をつけ泡立てしていきます。】 《手のひらで伸ばす際は、手のひらをべったりつけず真ん中にくぼみを作ると泡立ちやすいです。》 ↓ 閉じず ↓ 開ける 手のひらで少し泡立てます。 泡立てのポイント 泡が立つためには必要な要素が3つあります。 ・ 水 ・シャンプー剤 ・空気 この3点です。 この3点を混ぜるようにして泡立てをします。パンをこねるようなイメージです。 上記を意識して髪全体にシャンプー剤をつけて泡立てしていきます。 泡立てを動画で見る↓ しっかりきめ細かい泡立てが出来たところで、シャンプーに入ります。 聞いたことがある方もいるとは思いますが、まずどこで洗うのか?と言うことですが、、、 それは、 指の腹 です 指先や、爪を立ててしまうと。頭皮が傷つく恐れがあります。 実際どこか?というと指の第3関節の一番指でふっくらしている所です。下記の写真をご覧下さい。 爪は立てない。 ↓ 指の腹で ココを頭皮にあて頭皮から少し反発するのがわかる程度に押して洗います。 強くゴシゴシしなくても綺麗に洗えているのでご安心ください。どちらかというとマッサージしてるイメージで頭皮を動かすように洗ってください。 頭頂部に頭皮をよせるようにシャンプーするとより効果があります。下記の動画の動きを繰り返していただければ大丈夫です。あとは、顔周り・気になるところ・痒いところをやっていただければ問題ないです。 シャンプー動画をみる↓ シャンプー剤を選ぶに当たって一番大事な要素としてあげられるのは 頭皮 です。 もちろん髪の毛の汚れを落とすので髪にとっても関係なくはないですが一番は頭皮です。 乾燥性の頭皮に洗浄力が高いシャンプー剤だとより乾燥しますし、脂性の頭皮に乾燥肌ようのシャンプーを使っても効果は得られません。 今自分がどのような頭皮環境なのかを判断することがかなり重要になってきますが、自分の頭皮がどのような状態か判断するのは難しいと思います。 ご自分で見れる簡単な見分け方はこちらになります。 (かなり大きく分けての話なので細かいことは担当の美容師さんに聞くことをお勧めします。) 乾燥している頭皮の特徴 ・頭皮が赤い ・細かいパラパラした白い粉のようなフケがでる ・お肌も乾燥肌の方 脂性の頭皮の特徴 ・頭皮が黄色い ・大きい塊のようなフケが出る ・顔の皮脂量が多い方 ちなみに健康な頭皮の色は青白いです。 しっかり自分の頭皮を把握してからシャンプー選びをするのが一番のヘアケアになりますので、担当の美容師さんとご相談した上選んでいただく事をオススメいたします。 よくこの質問を聞かれますが非常に難しい質問です。 現状問題なければ良いのですが、基本的におすすめできません。 なぜかというと、そもそものシャンプー剤に入っている基剤に問題があるので頭皮の脂質をとりすぎてしまい、乾燥性の頭皮の方はより乾燥し、脂性の方は脂質を取り過ぎて逆に体からより多くの油分を出そうとしてしまいより脂性になります。 前項でシャンプーの基剤である界面活性剤の話をしましたが、市販で販売されているシャンプーのほとんどが【高級アルコール系】硫酸が入っている界面活性剤です。 安価ではありますが、洗浄力が非常につよく頭皮・髪を傷ませてしまいます。 食器洗剤で洗っているのと同じくらいです。 そのため美容師としてはおすすめはできません。 それでは実際市販のシャンプー剤と美容院で販売しているシャンプー剤は何がどう違うのかをご説明します。 市販のシャンプーの界面活性剤(シャンプーの基剤)は、ほとんどが硫酸タイプの高級アルコール系がほとんどです。 美容院で売られてるシャンプーは基本は硫酸タイプはなく用途に合わせさまざまな界面活性剤をしようしています。 〔シャンプーの種類でも触れましたが、シャンプーの重要なポイントは界面活性剤です〕 市販のシャンプーのメリットは安価 デメリットはとにかく洗浄力が強い! 食器洗剤と同じくらい。。。髪が痛み手触り指通りが悪くなって当たり前です。 ですが、シャンプー、トリートメント後なぜかさらさらに指通りが良くなります。なぜか?というと・・・ 次に行く前に どれほど洗浄力が強いか?お見せ致します。 洗浄力強い=泡立てがいい ということで市販のシャンプーA と 美容院取り扱いシャンプーA で比較してみました。 市販シャンプーA 美容院取り扱いシャンプーA 美容院取り扱いシャンプーAに比べて市販シャンプーAはかなり泡だっているのがわかります。 ※使用量はどちらも1プッシュです。 続き それは、髪の毛をコーティングし擬似的にツヤ・指通りをよくするためのコーティング剤が入っているからです。このコーティング剤の含有量がとにかく多い。。 本来の自分の髪質以上になります。 しかし本質的には痛み続けてしまいます。 そのコーティング剤とは何か? みなさんもよく耳にする シリコン です。 最近ノンシリコンシャンプーもよく見ます。 が、本来シリコンはとても人の体に合ういい成分なんです。美容整形で、唇をふっくらさせたり・涙袋を作ったり・豊胸にも使われています。 なのになぜこれだけシリコンが悪い!だめ!っと言われているかというと。。 実は、みなさんが知っているシリコンはシリコンではありません。 シリコーン なんです。 え? と思われている方もいるかと思いますが全く違う成分です。 表記名称だと、メチコン・ジメチコン・シクロメチコン・シクロ と書いてあります。 何が違うのかと、 シリコンは水溶性 シリコーンは油性 です。 シリコンは水で溶けるのですぐ流せます。 シリコーンは油性なのでなかなか取れません 地層のように蓄積し髪・頭皮にこびりついてしまい本来の髪質からかけ離れた髪質になります。 また油性は油性となじみが良いので毛先には残らず根元付近に残りやすいので、根元がべたついたり、頭皮環境が悪くなります。 かなり重なりが強くなると、薬剤の浸透も妨げるのでカラーの色持ちが悪くなる・色が入らない・パーマがかからない・美容院でのトリートメントが入らない ということも起こります。 けしてノンシリコンは良い訳ではありません。シリコーンではなくシリコンなら問題ありません。 市販のノンシリコンの場合は結局界面活性剤が硫酸タイプなので髪が傷みます。その代わりにセットのトリートメントにシリコーンがものすごい入っているので髪・頭皮への負担は変わりません。 ここまで理論的な説明になってしまいましたが、特徴を簡単にまとめました↓ 市販のシャンプー メリット ・安価 デメリット ・界面活性剤が硫酸タイプの高級アルコール系で、洗浄力が強い(よって髪・頭皮を傷ます) ・シリコーンが入っている(油性のコーティング剤のため落ちない) 美容院取り扱いシャンプー メリット ・目的に合わせた多様な界面活性剤がある。(より悩み解決に近いモノがある) ・シリコンが使われている(水溶性なので流せば取れるため残らない) デメリット ・市販に比べ高価 さいごに、シャンプーの値段が高ければ高いほどいい訳ではありません。だいたい300㎖で2000~3000円のシャンプーで良い物はたくさんあります。 お一人で使えば1ヶ月半~2ヶ月は使用出来ます。1ヶ月計算だと1000~1500円で頭皮・髪が良くなると考えていただけたらそれほど高くはないと個人的には思っております。 この記事を見て美しくなるための自分投資としてお考えになっていただけたら幸いです! 様々なシャンプーがありますが、まずはご自身の髪・頭皮の状態を理解しそれにあったシャンプーを選ぶのが大切です。 風邪の時、お医者さんに診断してもらい症状にあった処方でお薬を飲んだ方が早く治ります。それと一緒でお客様の髪・頭皮を美容師が診断しベストはシャンプー選びをすると言うことができれば一番だと思います。 そのためには、僕ら美容師も信頼される努力をしなければならないし、無理矢理売りつけるような事はあってはならないと思います。 現在の担当の美容師さんにご相談してみてください。 まだ決まった美容院が見つからない方、必ずお客様のご要望に応える美容師さんはいると思います。信頼できる美容師さんを探すのが美しくなるための近道ですので大変かと思いますが、引き続きよろしくお願い致します。 この記事を通して、みなさんの何か少しでもお役に立てれば幸いです。ぜひ参考にしてみてください。泡立ち 洗浄力 刺激 コスト面 高級アルコール系 ◎ ◎ 高 ◎ アミノ酸系 △~○ △~○ 低 △ タウリン系 ○ ○ 低 △ スルホコハク酸系 ◎ ○ 低 ○ オレフィンスルホン酸系 ◎ ◎ 中 ◎ ベタイン系(両性系) ○ △~○ 低 ○ 石けん系(アルカリ) ◎ ◎ 中 ◎ 石けん系(酸性) ◎ ○ 低 △ アミドエーテル硫酸系 ◎ ○~◎ 低 ○ PPT系 △~○ △~○ 低 × シャンプーの正しい洗い方って?
まずは、しっかりお湯でゆすぐ
密度の濃いふわふわな泡立てをする
大体が最初は泡立ちません。(汚れ・スタイリング剤があるため) 1度しっかり流してから本格的な泡立てに移ります。
1度で泡が立てばそのままシャンプーしてもかまいません。指の腹で頭皮をマッサージするように
シャンプーの選び方と頭皮の関係
市販のシャンプーでおすすめは?
市販のシャンプーと美容院取り扱いシャンプーの違い
まとめ