【くせ毛で悩む方へ】くせ毛と縮毛矯正/ストレートパーマ徹底解説!
はじめに
くせ毛で悩む方々には嫌な季節になってきました。 梅雨。。。
朝せっかくきれいに乾かしたのに、外出たらすぐにくせがでてきて収集つかなくなってしまいますよね。
実際に来ていただいてるお客様からも梅雨をどう過ごしていけばいいか?などのお悩みを耳にします。
縮毛矯正・ストレートパーマ・髪質改善 など美容院に様々なメニューがあり、なにがどう違うのか?自分には何が合っているのかわからないといった状態になっていると感じ、今回詳しく縮毛矯正・ストレートパーマ・髪質改善・くせ毛のことを解説する記事を書こうと思いました。
美容院に行く前に少しでも情報を知っていただき、安心して美容院にいけたりメニュー選びの際に困らなくなれば幸いです。
ぜひ参考にしてみてください!!
くせ毛の種類(形状)
くせ毛といっても色々な種類があります。 くせ毛によって原因が違っていたり、先天的なクセから後天的なクセまで様々です。
日本人は何種類かのクセを複合的に持っていることが多いです。
くせ毛は大きく分けて4種類に分類できます。下の絵をご覧ください↓
波状毛(はじょうもう)・捻転毛(ねんてんもう)・連珠毛(れんじゅもう)・縮毛(しゅくもう) の4種類に分けられます!
波状毛
日本人にもっとも多いくせ毛と言われています。波打つようにS状にうねるクセになります。大きくうねる人(長波状)もいればわりと細かくうねる人(短波状)もいます。 髪の毛の長さによっても出方が変わるのでクセを活かしたカットもしやすく、長さによっては収まりやすくなったりもしますので比較的扱いやすいクセです。
しかし日本人はこのクセともう一つのクセをもった複合型のクセが多いので、波状毛オンリーな方はあまりいません。
捻転毛
捻転毛は毛髪一本一本がねじれている形状になっているクセです。
ねじれ具合もそれぞれで強くねじれている方から軽くねじれている方まで色々です。ねじれているのでパサついたような印象や広がりツヤがないといった特徴があり、髪の毛がダメージしているのでは?と考える方も多いです。
髪を触ったときにザラザラしてる・ジリジリしてるといった感想を持たれる方もいます。
日本人は波状毛と捻転毛が複合的になっている方が多いです。
連珠毛
連珠毛は、数珠が連なったように大きさに均一感がなく、ボコボコしているくせ毛です。髪の毛の表面が折れやすく切れ気になりやすい状態です。 そのため髪が伸びづらいと感じる方も多いです。
連珠毛はわりと珍しいクセなので、ほとんど見られないクセです。
常染色体優性遺伝(じょうせんしょくたいゆうせいいでん)の先天疾患とされています。
縮毛
アフロヘアのようなクセの髪の毛です。 うねりが強く細かく螺旋状になっているのが特徴です。 他のくせ毛とくらべて一番強いクセになります。
一見硬くゴワゴワしてるように見えますが、比較的ダメージしやすい髪質の方が多いです。 クセを活かしていくか、ゆるく伸ばして扱いやすいようにカットでするかが一般的かと思います。きれいに真っすぐに伸ばすためには縮毛矯正専門店に行かないと難しいかと思います。
くせ毛の原因
くせの種類を見ていただきましたが、次はくせ毛の原因についてお話します。
大きく分けて2種類の原因があります。 髪の内部の構造の変化によりくせになるのですが、どの場所(箇所)で変化が起きているかが重要になっていきます。
① マトリックスの変化が原因のくせ
② フィブリルの変化が原因のくせ
この二つになります。実際フィブリル・マトリックスってなに?髪のどこ? というのを簡単にお話しします。
そもそも髪の断面図をイラストで簡単に描くとこうなります。
外側の濃いグレイ部分が、キューティクル(毛上皮)
中の薄いグレイ部分が、 コルテックス(毛皮質)
中心の濃いグレイ部分 毛髄質 (メデュラ)
になります。 フィブリル(繊維質)とマトリックス(間充物質)はこの中の コルテックス(毛皮質)にある物質です。
更に詳しい図になると、、、
やや見にくいかもしれませんがこのような図になります。
コルテックスの中はコルテックス細胞という筒状のような形をした細胞がぎっしり入っています。
この中にある疎水性のケラチン繊維がフィブリルで、マクロフィブリル・ミクロフィブリル・プロトフィブリルとマトリョーシカみたいに層になっておりどんどん小さくなっていき、それを束ねた物の総称をフィブリル(繊維質)と呼びます。
そのフィブリルの隙間は、親水性で保湿性の高い物質で埋められています。それがマトリックス(間充物質)です。
マトリックスには、Cケラチン・NMF(ナチュラルモイストファクター)・脂質が入っており、カラーやパーマなどの薬剤が作用する場所でもあります。
それではどちらのクセがどのように違うかご説明します。
① マトリックスの変化が原因のくせ
マトリックスによるクセの特徴としては、
・むしろ濡れている時の方がクセが強い
ということがあげられます。
例えば、乾いている時にクセがある方で、髪の毛を1度濡らしたらクセが強くなった、クセが変わらないといった事でわかります。
シスチン結合(毛髪を形成する4つの結合の内もっとも結合力がある)によるクセなので、水で濡らして水素結合を切っても影響がありません。
マトリックスには薬剤が反応する働きもあるので、このタイプのクセには薬剤の力で髪の結合を切りクセを伸ばしていきます。
② フィブリルの変化が原因のくせ
フィブリルによるクセの特徴は、
・クセがあるけどちゃんと乾かすとクセが伸びる
です。
例えば、乾いている時に広がりやすかったり、うねってくるけど濡れるとちょうど良いボリューム感や、ストレートタッチになる といった状態です。
こちらのクセは、先天性の場合もあれば加齢による原因ででるクセでもあります。
このタイプのクセは、毛髪内部のコルテックス(毛皮質)のバランスの偏りで起こるクセ毛になり、水素結合の影響をうけるクセ毛でもあります。①のクセとは別のクセ毛なので薬剤は髪の毛の結合を切るのではなく、毛髪内部のバランスを整える薬剤で施術すると綺麗になります。
①と②の図
本来、パラコルテックス(硬質) オルトコルテックス(軟質)の2種類が良いバランスで毛髪内部に存在しています。 くせ毛の方はバランスが偏ってしまいくせになる といったメカニズムです。
ざっと説明させていただきましたが、難しい用語もたくさん出てきて困惑される方も多いかと思います。
なので、簡単に毛髪をカッパ巻きだとしたら、、、
・乾いている時、濡れている時でクセが変わらないな → カッパ巻き自体が曲がっているんだなぁ。
・乾いている時より濡れている時の方がクセが弱い → お米のバランスが悪いんだなぁ。
・乾いている時にクセがあり、濡れている時はより強くなった → 両方のクセがあるんだなぁ
と覚えていただけたら幸いです。
縮毛矯正
縮毛矯正とストレートパーマって何が違うの?っと思いの方もいらっしゃると思いますので、ご説明していきます。
縮毛矯正について
縮毛矯正とは、くせ毛を 薬剤の力 と 熱の力 で伸ばす事を言います。
どんな方におすすめかというと、、、
・濡れていても乾いてもクセでうねってまとまらない
・とにかくうねる
・小さい頃からくせ毛(うねり)で悩んでる
このようなとにかくどんな状態でもクセが気になる・クセに悩んでいる方におすすめです。
メリット・デメリット
では実際、縮毛矯正はどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット
・くせ毛が完全に伸ばせる
・基本1度施術した部分はずっとくせ毛が伸びたまま
・朝の手入れが楽になり心にもゆとりが持てる
・湿気に左右されず梅雨時期の湿気が高い日でも過ごしやすい
デメリット
・工程上、施術時間が長い
・髪への負担が大きい(美容院でおこなうメニューのなかで1・2を争うほど)
・料金が高い
・基本1度縮毛矯正をかけたらパーマがかからない
このような事が言えます。
施術行程
先ほどにもあった、クセが完全に伸びる・時間がかかる などは施術工程によるところが大きいのでご説明いたします。 尚、今からご紹介するのはあくまでオーソドックスなものなので、お店によって変わったいる所もありますのでご了承ください。
① カウンセリング 乾いた状態でクセがどのように出ているか、お客様のご要望はなにか聞きます。
② 1度シャンプーし、濡れた状態で髪がどうなるか? くせ毛がどう変化するかを見ていきます。
③ 毛髪の状態を見極めて、1剤つくり塗布していきます。(この工程がもっとも大事な工程となり、ここで縮毛矯正の良し悪しが決まると言っても過言じゃないです) (薬剤の力)
④髪の結合がほどよく切れているか確認して、1剤を流していきます。
⑤ 1度しっかり乾かした後、アイロンをしてしっかりくせ毛を伸ばしていきます。(熱の力)
⑥ アイロン後、2剤(形をつける薬剤)をつけて5~15分おきます。
⑦ 1度流して、乾かしてスタイリングしたら完成です。
シンプルな工程でもたくさんの工程があります。
縮毛矯正はストレートパーマと違い 薬剤と熱の力でくせ毛を真っ直ぐにします。
熱を加える分、クセがしっかり伸びるが髪の毛への負担も上がってしまいダメージも増えていきます。ここで大事なのは適切な薬剤の選定と適切なアイロンの温度にするか と言うことで仕上がりに多く影響されます。
料金と時間について
縮毛矯正はストレートパーマより価格が高いです。しっかりクセが伸ばしたり工程が多い分どの美容院でもストレートパーマよりは高く設定されていると思います。
藤沢市にある美容院の縮毛矯正の平均価格は、 およそ10334円でした。(某クーポンサイトに記載されている藤沢市にある美容院91件中50件程の価格を調べて割ったものです)
縮毛矯正のみで1万円以上が3割 5000円以下が2割 5000円~1万円が5割 といった結果になっておりました。
正直値段での良し悪しの判断は難しいですし、値段が高ければいいってものでもないですが、安いお店だと回転率や施術時間などを気にして本来やらなければならない工程をやらないといった事もありますし、薬剤自体コストが低く髪に負担が多い物を使ってるケースもあるのでお気をつけ下さい。
所有時間については、おそらく平均で縮毛矯正だけならば2時間~2時間半の美容院が多いと思います。
カットと縮毛矯正を同時にすると3時間前後かかる美容院が多いです。
縮毛矯正で注意することは?
美容院でおこなう施術の中で一番負担が多いメニューになるので慎重にならなければなりません。
注意点をまとめました。
・本当に自分の髪が縮毛矯正が必要なのか?もう一度考える
・1度縮毛矯正をおこなった髪にはやらない。
・ブリーチした髪の毛にはやらない
・美容師の技術によって大きく差がでるので信頼できる方にお願いする
このような注意点があげられます。お客様自身で判断するのが難しい場合もありますが、参考までに覚えていただけると良いかと思います。
ストレートパーマ
次にストレートパーマについてご説明いたします。
ストレートパーマについて
ストレートパーマは、縮毛矯正とは違い 薬剤の力 のみでの施術になります。
どんな方にオススメかというと、
・濡れている時は真っ直ぐなのに乾くとややクセが出る方
・髪が広がりやすくパサつきがある方
・加齢とともに上記の項目が出られた方
・クセを真っ直ぐにはしないで弱めてヘアスタイルに活かしたい
・パーマを落としたい
このような方におすすめです。
メリット・デメリット
ストレートパーマのメリット・デメリットとは、
メリット
・ほどよく自然にボリュームダウンできる
・真っ直ぐになりすぎず柔らかい印象を保てる
・パーマをとることができる
・縮毛矯正に比べると料金が安く、時間も掛からない
デメリット
・相性が良い髪質とそうでない髪質がある
となります。 一見メリットの方が多いように見えますが、うねるクセ自体は伸びないと言うのが縮毛矯正と一番違う所ではあります。
施術行程
ストレートパーマの施術行程をみてみましょう。こちらもあくまでオーソドックスな施術行程となります。
① カウンセリング 乾いた状態でクセがどのように出ているか、お客様のご要望はなにか聞きます。
② 1度シャンプーし、濡れた状態で髪がどうなるか? くせ毛がどう変化するかを見ていきます。
③ 毛髪の状態を見極めて、1剤つくり塗布していきます。(ストレートパーマは薬剤の力のみで髪の毛にアプローチするためこの作業で出来映えが変わります)
④髪の結合がほどよく切れているか確認して、1剤を流していきます。
⑤ 濡れた状態で、そのまま2剤を塗布していきます。
⑥ 10~15分時間を置き薬剤を流し、乾かしてスタイリングしたら完成です。
縮毛矯正と違い熱の力(アイロン)を入れない分時間も早く髪への負担も少ないのが特徴です。
料金と時間について
料金は、縮毛矯正よりは安く藤沢市のストレートパーマの平均価格は 6580円 でした。(縮毛矯正と同じ方法で算出しました。) 約 5000円以下が3割 5000~1万円が5割 1万円以上が2割といった結果となりました。 縮毛矯正と同じく値段で良し悪しが完全に決まるわけではありませんが、 ストレートパーマも繊細な施術なのでしっかりとした施術内容が求められるので安いものはNGです。
時間は、縮毛矯正より短く ストレートパーマのみでしたら1時間半~2時間ほどでした。カットを入れると2時間から2時間半が多いようです。
参考にしてみてください。
ストレートパーマの注意点
ストレートパーマでの注意点をまとめました。
・うねるクセ(強いクセ)は伸びない
・縮毛矯正より負担は少ないが髪への負担はあるということ
・トリートメントとして考えない
縮毛矯正より圧倒的に違うのはクセが伸びるか伸びないかです。ストレートパーマの場合はボリュームダウンとして考えていただけると良いと思います。
縮毛矯正・ストレートパーマのよくある失敗
縮毛矯正やストレートパーマで失敗しないためにも、よくある失敗・原因・予防策を知っておくことはとても大切だと思います。
ここでは、よくある失敗 その原因・予防策をご紹介致します。
① 髪がチリチリになる
縮毛矯正・ストレートパーマの施術後、髪の一部もしくは髪全体がとうもろこしのひげのようになってしまう。 この状態はいわゆるビビり毛といい、薬剤の過剰反応で髪の毛が一番痛んでしまった状態です。
原因
1剤の薬剤(髪の結合を切る薬)の過度な反応により必要以上に髪を傷ませてしまい、そのためアイロンの熱に髪の毛が耐えられなくなりチリチリになってしまったと考えられます。
美容師が毛髪の状態・ダメージレベル(痛み具合)の見極めを誤って薬剤選定をミスして可能性があり、アイロンでの温度・アイロン操作によっても引き起こりえる失敗など色々な事が考えられます。
これは基本的に美容師側の失敗だと考えられます。
対策
縮毛矯正・ストレートパーマは美容院で行うメニューの中でも髪への負担がもっとも高く、もっとも難易度が高いメニューです。
もちろん、経験がありや技術力がある、縮毛矯正・ストレートパーマが得意な美容師にお願いすることが大切です。これがビビリ毛を防ぐ一番の予防策だと思います。
お客様がしていただける対策としては、「いつ・どんなヘアメニューの履歴があるのか?」、セルフカラーはしてないか?なども含め、カウンセリングで担当の美容師にしっかりと伝えることも大切です。
もし失敗したら?
施術をおこなった美容師さんにご相談してお直しや全額返金などの誠意ある対応をお願いしてみてください。
1度髪がチリチリなビビり毛になると、直すのはとても困難になります。ビビり毛への薬剤反応はとても難しくリスクが高いので必ず経験・技術がある方にお願いしてください。
② クセやうねりが残ってしまった
縮毛矯正後、うねりが戻ってきてしまう状態
原因
髪の結合を切る薬剤がうまく反応しなかったために起こります。
髪質に対して薬剤のパワーが足りなかった・流す時間が速すぎたといった基本的には美容師側のミスになります。
対策
基本的に髪質を見極めた薬剤選定、髪の結合がどの程度切れてるか(クセが伸びてるか)の見極めによるミスなので、技術的経験・薬剤知識・毛髪知識がしっかりしている美容師にお願いするのが一番だと思います。
もし失敗したら?
①のビビり毛ではないのでまだ髪の毛のダメージレベルは薬剤に耐えれる可能性が大きいので、担当の美容師にお直しをお願いすることをオススメします。
クセが残る場合は大体がお客様の、髪質・ダメージレベル・過去の施術履歴を考慮し、良い判断として、あえて薬のパワーを抑えて薬剤設定をしている可能性が高いです。
担当の美容師に髪の状態をカウンセリングし、一緒に相談しながら解決方法を探す事をオススメします。
③真っ直ぐになりすぎてしまった
クセはしっかり伸びているが針のように真っ直ぐにってしまう状態
原因
②とは逆で、薬剤のパワーが強すぎて過反応を起こしているか、時間を置きすぎたか、アイロンの温度設定が高すぎるために起こる現象です。
基本的には薬剤選定・放置時間・アイロンの温度設定の見極めなので美容師のミスです。
対策
いずれも美容師による判断ミスが原因になるので、経験・技術力が高い美容師さんにお願いするのをオススメ致します。 ご自身でできる対策としては、美容師はクセがしっかり伸びるように強い薬剤を使おうと判断していると思うので、「真っ直ぐなりすぎるのは嫌」と言っていただいても良いと思います。
もし失敗したら?
基本的には美容師のミスになるので、担当の美容師や美容院に連絡して、お直しなど、誠意ある対応をお願いしてみてください。
毛先が真っ直ぐだからといってけしてパーマやデジタルパーマはしないようにしてください。さらなる負担を生むのでおすすめできません。
カットで少しだけなら柔らかく見せる事も可能です。
根本的な解決とはなりませんが、毛先のみブラシでブローしたり、アイロンで内巻きにしたりなども不自然さをカバーできます。 試してみてください。
まとめ
クセの事から縮毛矯正・ストレートパーマの事を説明させていただきました。
どちらの施術もとても繊細であり髪の毛にあたえる影響は良くも悪くも大きいものだと思います。
クセに悩まれている方にとっては1日の気分を決めかねない程の大事な事だと思いますので、失敗や後悔がないようにこの記事を参考にしていただけたらと思います。
湿気も強まり梅雨到来の季節少しでもみなさまが笑顔で日々すごしていけるように願っております。